整形外科とは
整形外科は、体の芯となる骨・関節などの骨格系、およびそれを取り囲んでいる筋肉や腱、またこれらを支配している神経系からなる運動器に生じた病気や怪我を専門的に扱う診療科です。例えば骨折、脱臼、切り傷、打撲などの外傷をはじめ、肩こり、腰痛、膝痛、手足のしびれ、神経痛など、日常的によく起こる体の痛みや違和感などを扱います。
整形外科で扱う主な症状
- 肩こり
- 腕の痛み
- 腰の痛み
- 膝の痛み
- 足や背中の痛み
- ぎっくり腰
- むち打ち症
- 手や足の痺れ
- 手指のこわばり
- 突き指
- 捻挫
- 骨折
- 打撲
- 脱臼
- 切り傷
- すり傷
- やけどなどの外傷
- スポーツ中の怪我
など
整形外科領域の主な疾患
- 頸椎椎間板ヘルニア
- 肩関節周囲炎
- 腰部脊柱管狭窄症
- 胸腰椎圧迫骨折
- 手根管症候群
- 変形性膝関節症
など
頸椎椎間板ヘルニア
人間の脊椎は約30個の骨が積み木のように重なって構成されています。この脊椎と脊椎の間には、クッションの役目を果たしている椎間板があります。頸椎椎間板ヘルニアは、このうち頸椎椎間板の一部が本来の位置から飛び出して神経を圧迫し、激しい痛みやしびれをもたらします。
肩関節周囲炎
肩関節周囲炎になると、肩関節が痛み、関節の動きが悪くなって運動制限が生じてきます。動かした際の痛みと夜中の痛みが特徴的で、時には眠れないほど痛むこともあります。肩関節周囲炎は40代~50代の方に多く見られ、病態は様々です。主な原因は、関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などが老化して肩関節周囲の組織に炎症が起きることだと考えられています。
腰部脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症は、年齢や変性に伴って生じる靭帯の肥厚や骨棘により、脊髄や神経根が圧迫される疾患です。特に腰椎や頸椎で多く見られます。好発年齢は50~80歳くらいの中高年であり、女性より男性に多いです。腰部脊柱管狭窄症になると、腰の神経の通り道が狭くなってしまうので、腰の痛みや足のしびれを引き起こします。
胸腰椎圧迫骨折
圧迫骨折とは、背骨が縦方向に押し潰されるように変形してしまった状態のことです。主な圧迫骨折には、胸椎圧迫骨折と腰椎圧迫骨折の2種類があります。圧迫骨折は、骨粗しょう症に伴う骨の脆弱性が元で発症するケースが一番多いのですが、転落事故など大きな外力が加わった場合には、若い人でも発症します。骨折直後は強い痛みが走り、起き上がったり歩いたりするのが困難になります。
手根管症候群
手には親指から薬指までの感覚を支配する正中神経が通っていますが、手関節の部分でこの神経を覆っているトンネルが手根管です。手根管症候群は、正中神経が何らかの理由で手根管に圧迫されることで起こります。症状としては手のしびれやチクチクとした痛み、そのほかに物をつかみにくくなることもあります。原因は不明ですが、女性や手をよく使う人に起こりやすい傾向があります。しびれが首の神経の狭窄による場合もありますので、正確に診断し、軽度であればまずは内服薬・リハビリ・注射などで様子を見ます。